通気浸透水脈-大地の再生-
- 3 日前
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雨上がりに水たまりを見比べて見てください。
人がよく通る通路の脇には、いつまでも水が浅く残っている。けれど、ふだんあまり人が入らない植え込みの奥では、同じくらいの雨量だったはずなのに、水はもうほとんど見当たらないなんて場面に遭遇するかもしれません。
同じ庭の、同じ雨。
違うのは、土の状態です。
この場合、人が繰り返し歩く場所では、土の粒と粒の間が、少しずつ押しつぶされて詰まっていきます。すると、雨水はその隙間を通り抜けられず、行き場を失って地表にとどまってしまう。
一方、あまり踏まれていない場所では、土の中に小さな隙間が保たれていて、水も空気も、その隙間を伝って地中へと入っていくことができます。そして植物たちの根っこがより、その機能をになってくれています。
前回、「山から海まで、脈はつながっている」というお話をしました。
その脈は、地上の川や水路だけでなく、実は地面の下にも続いています。
土の粒と粒の間、根が伸びていった跡、小さな生きものたちが動いた跡。そうした無数の隙間が寄り集まって、地中にも、水と空気が通っていくための道ができています。

通気浸透水脈——そう名前をつけたのは、大地の再生を築いてこられた矢野智徳さんです。
空気が通り(通気)、水がしみ込んでいく(浸透)、土の中の水脈。地表からは見えませんが、健やかな土地では、この脈を通って、雨水は少しずつ地中へと染み込み、空気も土の奥まで行き来しています。
この脈が、何かの理由でふさがれてしまうことがあります。
人や車が繰り返し通ることで土が締まってしまったり、大きな工事で地面が固く踏み固められたり、コンクリートなどの人工構造物による影響もあります。
そうなると、地表に水が溜まりやすくなるだけでなく、地中の空気の巡りも滞り、根や土の中の生きものたちの働きにも、少しずつ影響が出てくると考えられています。
大地の再生の実践で大切にされているのは、この見えない脈を、空気や水が、もともとその土地にあった道をもう一度たどれるように、手伝いをしていくような作業です。
大地をよく観察し、空気や水が滞っている場所を見つけ、そこに、ふたたび通り道が生まれるような。
この視点は、庭のない場所でも取り組むことできます。
プランターの土に長い間触れずにいると、少しずつ固くなっていくことがありますよね。ベランダの鉢の底に、いつまでも水が残っているとか。
それも、鉢の中の小さな通気浸透水脈が、うまく働けなくなっているサイン。
私たちの目には見えなくても、健やかな大地では、地面の下で、今もずっと、空気と水が巡り続けています。


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